2018年8月3日金曜日


読解力をつけるためには

読書感想文、どうしたら書けるようになるの?

(あくまでも一例です。参考としてご覧ください)

1 はじめは、「わからない」から

「この話を読んで、思ったこと、感じたこと、疑問に思ったこと」などをノートに書きましょう、という授業を国語ではよく行います。なぜこのようなことをするのかと言うと、子どもたちがはじめて読んだだけで、どんなことが理解できて、どんなことがわからなくて、どんな疑問を持っているのかを知り、これからの授業に反映させていくために行います。だから、わからなくても心配ありません。

 一度や二度読んだだけで、内容が理解でき、主人公の気持ちの変化が理解でき、物語のテーマがわかってしまうという子どもは、限られています。幼いころから読み聞かせを多くしたからと言って、読み聞かせを多くしてもらった子どもがすべてわかってしまうということはありません。ただし、全国学力・学習状況調査結果では、読書と学力の関係が明確に結果として出ていますので、興味のある方は、「全国学力・学習状況調査結果」等で検索してください。本を読むことが好きな子どもは、正答率も高くなっています。

 

2 うちの子は本を読まないから、ではないのです

 本を読まない子に共通していることは、話を最後まで聞けなかったり、落ち着きがないということです。読み聞かせの良さとしてあげられるのは、読み聞かせは視覚情報が少ないこと。そして、音声情報を集中して聞かないと、内容がわからないことから、静かに話を最後まで聞くようになるということです。物語は、最後にまとめやどんでん返しがあるので、最後まで聞かないと物語の面白さを味わうことができないということです。だから、本を読むのが好きと言う子どもは、「落ち着いて話を最後まで聞くことができる」「イメージを作り考えたり想像する」だから、「どんなことが書かれているかがわかる」ということになり、授業に置き換えると、「先生の説明を最後まで聞く」「教科書をきちんと読む」「問題文を最後まで読んでから問題を解く」「何を質問しているかがわかる」「グラフやデータが何を伝えているかわかる」などから学力も高くなるということです。言われてみれば当たり前のことですよね。本を読んでいないから、正答率が低いということではありません。ただ、「本を読ませればよい」ということではありません。

 

3 読書感想文完成までの手順

(1)題名に注目しましょう

 題名は、作者が読者に伝えたいことをコンパクトにまとめたものです。学年の課題図書や題名を見て、気になったものを取り上げてみましょう。なぜ気になったのかが感想文の感想の第一歩です。初めにこの本を選んだ理由を書くことにつなげられます。また、最後に作者が題名に込められた思いにもつなげることができます。

例 私はこの本を選んだきっかけは題名を見て・・・と初めは思っていた。しかし、最後まで読んでみると、作者の題名に込められた思いが伝わってきた。作者は、私たちに・・・を伝えたいと思ったのだと感じた。

(2)最初はあまり厚くない本を

 読書が苦手な子には、厚くない本から選ばせましょう。厚いだけで読む気がなくなります。あくまでも子供に選ばせること、選択権と決定権を与えることで、責任感へとつなげましょう。「自分が決めて選んだ本」という姿勢が大切です。

(3)本の帯に注目しましょう

 課題図書をはじめ、文庫本にも本に帯がかけてあり、内容が簡単にまとめてあります。また、帯がなければ、表紙の裏や裏表紙に簡単なストーリが書かれています。その情報を活用します。その情報には、主人公の名前が書いてあり、出来事のきっかけ、出来事、そして主人公は、と言うようなことが書かれています。書かれていなければ、ネットで検索すると出てくることもあります。

 本を読むのが苦手な人の中には、登場人物が何人も出てくるとだれがだれかわからなくなって読む気がしないという人がいます。このタイプの人は、登場人物一人一人に注目してしまうことでこのようなことが起こります。大切なことは、主人公ただ一人です。これくらい割り切って本を読み進めましょう。本を読むのが苦手な人は、主人公の名前を○で囲ったり、線を引くとわかりやすいです。同時に「どうした」「どうなった」にも線を引くと、「主人公はどうした」が目で見てわかるようになります。

 また、本の帯などを参考に、出来事のきっかけは何か、どんなこんな出来事が書かれているのか、どんな展開になるのかなと想像してみるといいでしょう。

例 本の帯には、・・・と言うことが書かれていた。(写すだけで文字数が稼げます)私は、本の帯を読み、この後、主人公が・・・・する話が展開されるのかと思った。しかし、・・・

4)出来事のきっかけと理由をつかもう

 ①主人公はどんな人?

 出来事のきっかけまでに、だいたいの物語の場合は、主人公についての性格や家族や年齢、立場、考え方などについて書かれています。また、主な登場人物も出てきます。そこで、(3)で主人公について○で囲ったり、線を引いたところをもとに、どんな人なのかをつかみます。ここでのポイントは、学級や今まで出会った人の中で、だれタイプの人かをイメージすると、わかりやすくなります。そうすることで身近に感じるものです。また、自分と比較しやすくなったり、具体的な体験や経験につなげることができます。

 ②出来事のきっかけと理由

出来事のきっかけはとても大切です。そして、なぜそうなったのかも大切です。理由の部分は、主人公の今までの生活と結びついていることが多いので、きっかけと理由はセットにして読みましょう。主人公の行動の中に理由はあります。理由のない行動のきっかけはありません。だからこそ、主人公を○で囲ったり、線を引くことが大切なのです。

例 出来事のきっかけは、・・・が起こってしまったからだ。それが起こったきっかけは、主人公である○○が・・・・したことが、はじまりのようだ。○○は□□のときに、▼▼の行動をとるようなひとで、周囲の人となかなか打ち解けるのが苦手な人のように私は感じました。それは人見知りの私と似ているところがあるように思いました。

(5)出来事と経験

 出来事は、物語の中で最も盛り上がる重要な部分です。主人公がとった行動に対して、自分にも似たような気持ちになった経験、体験があれば、丁寧に書きましょう。この部分で感想文の文字数をかせぎましょう。

例 □□と言うことがきっかけで、主人公○○は▼▼の行動を起こした。私にも似たような思いをしたことがある。それは、いつのどんな出来事でした。ある日私が・・・

6)もしも・・・

 主人公の行動に対して、「もしも」主人公が違う行動をしていたらどんな結果が起きたと思うのかを書いてみましょう。私だったらという視点ではなく、主人公が別の考えを持ち、違う行動をとっていたら、そのあとの話はどんな終わり方をするのかを考えてみましょう。それが次の作者の思いとなる物語のテーマにつながってきます。

例 主人公○○は、このような行動をすることで、このような結果になった。主人公がこのように行動するまではいろいろ悩み、苦しんで決めたことだろう。しかし、もし、主人公が・・・と言う行動をとっていたら・・・と言う結果になっていたのだろうか。

(7)主人公が最後に取った行動と作者の思い

 出来事に対する主人公の行動は、作者が読者に伝えたいことを伝えるために取らせた行動です。だから、最後に取った行動はとても大切なことで、作者が最後に伝えたかった思いと重なってきます。作者の伝えたかった思いをしっかりと書きましょう。

例 作者がこのような行動を主人公にとらせたことで、私たちに・・・と言うことを伝えたいのではないかと思う。先ほど、もし主人公が・・・行動をとっていたら・・・な結末になったのかもしれない。しかし、作者は、そうではなく・・・の行動をとらせたことで、・・・を強く伝えようとしたのだと思った。

(8)素直な思いが

 読書感想文で大切なことは、読み終わった後の自分の素直な気持ちが書かれているかと言うことです。いったい、だれが書いた感想文かわからないような感想文よりも、その人らしい素直な思いが書かれている感想文が一番良い感想文です。

例 私は、普段本はあまり読まない。だから、今回も宿題だからという気持ちでこの本を選んで読みました。初めは題名を読んで・・・の話かと思っていましたが、本の帯を読み、・・・に興味を持ちました。そして、この本を読んで作者が伝えたい・・・という思いを受け取ったように感じました。これからもあまり本は読まないかもしれませんが、・・・という思いは、これからも私の心の中で生きていくと思います。